飲食店のフランチャイズをするならカウンター席は作るべき?
飲食業のフランチャイズは、親会社が契約者に施設と設備を貸し出し、契約者が売上の一部や契約料金などを親会社に支払う構造が多くなっています。企業の設備や経営ノウハウ、仕入れ先を共有することで、経営経験がない人でも安心して商いができるのがメリットです。そんな飲食業のフランチャイズで近年増えているのがカウンター席の増設です。
フランチャイズの飲食店で設置が増えているカウンター席
カウンター席は、お店の窓側もしくはキッチンの近くに大きい1枚の台と個別の椅子を設置して料理を楽しむスペースのことです。なぜフランチャイズの飲食店でカウンター席が増えているのかというと、昔と今で消費者の形が変化していることが理由となります。従来のフランチャイズのお店もまったくカウンター席がなかったわけではないのですが、席数は5席から10席と少数でした。
その理由として、フランチャイズは基本的に多くの利益を獲得するために家族連れの家庭を対象に商売を展開していたことがあります。そのため個別席よりも、ソファーのような大人数で座れる席のほうが大量のお客を呼び込めるので回転率がアップすると見込んだのです。
しかし現在では、晩婚化と少子高齢化の影響により一人客が増え、反対に家族で座れる席の需要が減っているのです。一人客で大人数の席に座るのは回転率が悪くなってしまいます。カウンター席の増設が増えている背景には、一人客を呼び込むための新しい需要の変化があります。
カウンター席を作ることでリピーターを作れる
フランチャイズの飲食店でも、カウンター席のニーズが高まっているのを感じている方も多いでしょう。カウンター席はただ社会環境に対応するというだけでなく、設置することで大きなメリットを得られます。そのメリットとは、カウンター席を作ることでリピーターを作ることができることです。
フランチャイズに限らず、お店は顧客に満足のいく商品を提供して収益を上げるのが目的となります。安定した収益を上げるためには、新規の顧客だけでなく満足のいく商品を提供して再び利用してくれる客層を作ることが重要です。また、顧客にとっては2階以上の窓際にカウンター席を作ることで周りの目を気にせずにゆっくりと料理を楽しむことができます。キッチン側に席を設ければ、キッチン内部の状況を見て目でも楽しむことが可能です。
キッチン内部の料理をしている光景はパフォーマンスになるだけでなく、丁寧に作っている光景は好印象を与えるのです。料理を丁寧に作っている光景に加えて、お店側の顧客に対する接客も丁寧にこなす姿を見せることができればリピート客となり安定した集客につなげられます。
パーソナルスペースに気を付けよう
社会環境に適応することそして商売にとって大事なリピート客を獲得するメリットからカウンター席の導入は良い点なのですが、実際に設置する際にはいくつか注意点があるので覚えておく必要があります。まずカウンター席で注意すべき点は、座席数をお店の大きさに合わせて適正数にすることです。
回転すると利益を上げるためには座席数を増やして食事が出来るお客を増やすことが大事に思ってしまいがちですが、その際に問題になるのがパーソナルスペースです。パーソナルスペースというのは、人間が意識的に相手に触れ合いたくない距離のことです。触れ合いたくない距離に知らない人が近くにいると、自身のスペースが侵害されたと思い心理的ストレスが蓄積してしまうのです。
座席を多くしすぎると、個人によって違うパーソナルスペースを侵害することになり、顧客を減らすことになります。そのためカウンター席を設置するときには、必ず成人の体格とお店の規模から計算して座席数を決めておく必要があるのです。
カウンター席は需要が増えている一人客に対応できるだけでなく、じかに料理をしている光景と店員が一人でもしっかりと接客する姿を見せることで好印象を与えられます。ただカウンター席の増設はお店自体の質の重要性が増すので、おいしい料理の提供だけではなく清潔さや接客マニュアルを丁寧に行い、お客に満足感を与えることが大切です。