飲食フランチャイズでオーナーオリジナルの料理メニューは提供できる?
飲食店の運営は、開業の形態としてはフランチャイズ加盟がおすすめですが、一定のルールに基づいた運営となるために、ご自身のオリジナリティを出すことは困難ではないかと考えて二の足を踏むという方もいらっしゃるでしょう。
実際にフランチャイズ店舗におけるオリジナル料理の提供について可否の基準をチェックすることが重要です。
オリジナル料理メニューも条件次第で可能なケースがある
全国各地で安心できる「いつもの味」を提供できる飲食店では、お客さんが好みの料理メニューをリピートしてくれるということで安定した売上に繋がるものです。
フランチャイズ店舗にでは、人気の高い料理メニューをブラッシュアップし、より安定して美味しいものをなるべく原価率を低く抑えて提供していくことが、経営戦略的に重要となります。その一方で、店舗オリジナルのメニューは、フランチャイズ店においてイレギュラーな存在となることは否めません。
しかしフランチャイズ店舗自体のイメージに合致していること、飲食店の料理メニューとして提供できるだけのクオリティであること、販売価格と原価率のバランスが既存のメニューと比較して大きく乖離していないことなど、さまざまな条件をクリアできる良好なメニューの場合には、店舗限定のオリジナル料理メニューが実現できるケースもあります。
実際に、地域性を豊かに反映しているメニューを導入して集客数の向上を目指しているフランチャイズ店は少なくありません。本部と話し合い、オーナーの考えやスキルを店舗にフィードバックすることができるのです。
食文化の豊かな地域であればオリジナルメニューの導入が刺激に
飲食店がひしめく都会の店舗であったり、地元の美味しい飲食店が強い激戦区であったりする場合には、フランチャイズ店の通常メニューだけであれば優位性を高く打ち出すことが難しいということもあります。
地域に合わせた食文化を提供するという観点では、独自性を打ち出していかなければいけません。競合する店舗に勝ち抜くためのアドバンテージを得る必要があり、そこでオリジナルメニューを提供するという戦略が注目されるのです。
その例として挙げることができるのは、食文化が豊富で独自のメニューが人気のある北海道でのケースです。現地で高い支持を集めている「スープカレー」というものがありますが、このメニューは地域の小規模チェーン店や個人店が圧倒的に強いという特徴があります。
観光客にも人気の料理メニューであり一定の需要が見込めるために、フランチャイズ店でも他県では出さないオリジナルスープカレーをそれぞれの店舗独自に提供しているという特徴があります。新規客の取り込みを図る観点から、地域素材メニューの積極的な採用をするという好例でしょう。
オリジナルメニューの採用を認めていないケースも
一方でフランチャイズ店では、各店舗がブランドイメージを守るという重要なポイントもある点も重要です。そのために、フランチャイズの本部の方針においてオリジナルメニューの展開を制限していることや、認めていないというケースもあります。
基本的に本部が提供すると確認しているメニューは、厳しい審査を受けたり商品開発に関して莫大な資金が投入されていたりと、味やコストに関しても優秀な商品であることがわかりますので、その展開枠に店舗オーナーのオリジナルメニューが入り込むスペースが無いという場合には本部の方針に従うことが懸命です。
もちろん、ご自身がぜひオリジナルメニューで勝負をしたいという強い意志を持っているのであれば、相談に乗ってくれる本部も多くあります。味の良さは絶対の条件となりますが、その他にも既存のフランチャイズ店のイメージに合っているかどうか、利益を安定して出せるかどうかを、自信を持ってプレゼンできるようにしておくと良いでしょう。
フランチャイズの本部方針によって、オリジナルの料理メニューを積極的に認めているか条件付きで出せるケースや、基本的には認めていないというケースなど、さまざまです。オリジナル料理メニューを出したいという希望をお持ちの方は、加入希望をしているフランチャイズ店の方針を事前に確認しておきましょう。