飲食フランチャイズオーナーに求められるスキルとは
自分がオーナーとなってフランチャイズの店舗を経営していきたいのなら、そのための準備をして万全にしておくのが望ましいことです。周辺地域への宣伝や店舗の内装などに力を入れるだけでなく、自分のスキルを磨くことにも時間を使いましょう。今回は飲食フランチャイズに関して、オーナーに求められるスキルがどのようなものかを紹介します。
健全な経営に欠かせない経理のスキル
飲食フランチャイズのオーナーといっても、店舗の責任者であることは一般的な経営者と変わりません。そのため、経営に必要な能力を身につけておくことは必須の条件となっています。その中でも特に重要なのは、決算書や財務諸表の見方をはじめとした経理のスキルです。
大企業では経理を経営者が担当することはほとんどありませんが、フランチャイズの店舗では最低限の経理は自分で行わなければなりません。加盟店向けに会計士を斡旋してもらえるケースもありますが、その場合でも日々の記帳レベルの雑事は店舗側で実施していくことになるでしょう。
テイクアウトも行える飲食店であれば、軽減税率や仕入税額控除の仕組みを理解して、税金に関して特に正確な処理を行えるように心がける必要があります。どれだけ売上が好調でも、経理にミスがあると後で大きな問題になりかねません。健全な経営を続けていけるように、基本的な経理のスキルをしっかり習得しておきましょう。
対応力の強化!問題を抽出するスキル
清掃などのルーチンワークが多い一方で、臨機応変に対応しなければならない業務が多いのも飲食店の特徴です。飲食店は仕事全体のなかで接客の占める割合が高く、お客さんの要望に柔軟に応えていくことが求められます。したがって、従業員に対して対応の仕方を細かく指導していかなければなりません。
フランチャイズでは共通のマニュアルを配布するのが一般的ですが、それを読ませるだけでは十分とはいえないのが実情です。オーナーとして個々の従業員の性格や経験などを考慮し、実践的な対応の仕方を十分に教えていく必要があります。
そこで重要になるのは、自分の店舗における問題を抽出するスキルです。 やみくもに指導するだけでは、教えられる方も何に注意すれば良いのかポイントを把握できません。そのような事態を避けるため、業務の中で問題となりやすい箇所を見つけて、それらの点に絞って優先的に指導をしていくことが大切です。この積み重ねによって、店舗全体の対応力は上がっていきます。
地域の特色やターゲット層を見極めるスキル
同じフランチャイズに加盟していても、売上の高い店舗とそうでない店舗があります。さまざまな要因が関係していますが、その中でも特に大きいのは地域による差です。地域ごとに特色が異なるので、それに合ったカラーを打ち出していくことが、売上を伸ばしていく重要なコツとなります。
たとえば、高齢者がたくさん住んでいる地域なら、若者向けのメニューを中心に取りそろえるのは得策ではありません。仕事帰りのサラリーマンやOLが多く立ち寄る店舗であれば、彼らに好まれそうなメニューをアピールしていくことも大事です。さらに、男性と女性のどちらのお客さんが多いのかも考慮しましょう。
フランチャイズというとメニューが画一的だと思われがちですが、多くの場合はオーナーがアレンジして独自性を出していけるシステムになっています。地域のターゲット層を見極めたうえで効果的な戦略を練らなければなりません。近くにコンビニが無いならテイクアウトを充実させるのも一つの手です。
求められるスキルを理解したら、それらを身につける取り組みを着実に行うことが大切です。とはいえ、日々の業務が忙しいと、じっくりと時間をかけられない場合もあります。店舗の経営計画を立てるときに、スキルの習得についてもプランを検討しておくと良いでしょう。