フランチャイズを始めるときに必要な飲食店の営業許可は?
飲食ビジネスは人々の健康に関わる商品やサービスを提供するため、開業に当たって法令に定めた基準を満たした上で許可を得る必要があります。独立自営の店でもフランチャイズ店でも同様です。スムーズに開業を果たすためには、営業許可についてあらかじめ知っておき、適切な手続きを行うことが大切です。
事業の種類によって必要な許可が異なる
一口に飲食ビジネスといってもその営業形態は様々です。居酒屋やレストランといった文字通りの飲食店もあれば、持ち帰り専門の弁当店、ケータリングサービスの専門店などバラエティに富んでいます。フランチャイズビジネスもまた、これらに合わせて多種多様な事業形態を有していますが、注意が必要な点はその形態ごとに受けるべき許可の種類が違うということです。
場合によっては、2つ以上の許可を受けなくてはならないこともあります。飲食ビジネスに必要な営業許可については食品衛生法という法律に定めがありますが、許可が必要とされる業種は全部で34にのぼります。
お店を開く場合は、このうちのどれに該当するのかを確認した上で、許可申請を行いましょう。許可を受ける際は、書類審査だけではなく実地検査が行われることもありますので、開店に向けてスケジュールを調整する際にはその点にも注意しておく必要があります。
製造のみや販売のみでも許可が要る
飲食ビジネスに必要な営業許可は、大きく分けて調理・製造・販売・処理の4つあります。このうち調理とは厨房で調理した料理等をそのまま店内で客に供するもので、一般的な「飲食店営業許可」と言えばこれを指します。次の製造は、特定の食品を製造する場合に必要なものです。菓子・食肉・惣菜・麺類・アイスクリームなど全部で22種類が定められています。
一方、販売は主として生鮮食品を販売する際に必要です。食肉・魚類・乳類などがこれに当たります。最後の処理はフランチャイズ店とは関わりは薄いですが、精肉工場などに必要です。開業に当たっては、これらのうちの該当する許可が必要になります。
たとえばレストランを開く場合は飲食店営業の、持ち帰り弁当店であれば惣菜製造業や食肉製品製造業などの許可が必要です。スイーツショップでも店で作ったものをそのまま出すのか、別の場所で作られたものを販売するのかによって種類が違ってきます。
食品衛生責任者の資格取得も忘れずに
飲食ビジネスを始めるに当たって、営業許可の他にもう1つ公的なハードルがあります。それは、食品衛生責任者の資格を取ることです。というよりむしろ、営業許可申請の前提条件と言えるものです。食品衛生責任者は、飲食店や食品に関連した製造施設などにおいて、衛生管理が法的な基準に適合するよう管理責任を果たす役職となります。
営業許可を受けようとする場合は、必ず有資格者が配置されていなければなりません。食品衛生責任者の資格は調理師・栄養士・管理栄養士などの資格を持っていれば自動的に与えられますが、都道府県単位で開催されている養成講習会を受講し、修了証を交付してもらうことでも取得できます。
講習は全部で6時間、基本的には1日で終了します。営業許可の申請時にはすでに有資格者のいることが求められますが、ただし講習会の日程の都合などで間に合わないときは、その旨を事前に伝えた上で後日報告を行うことを誓約すれば申請にパスすることが可能です。
飲食店の営業許可は種類が細分化されており、申請手続きも複雑です。しかしフランチャイズの場合は運営本部がノウハウを持っており、手続きをサポートしてくれますので安心です。また、申請窓口となる保健所でも相談に乗ってくれますので、わからないことがあったときは遠慮なく尋ねて疑問点を解消することで、スムーズな開業を果たすことができます。